Canon PowerShot G16での天体写真撮影実験
2013-10-13


Canon PowerShot G16には星空撮影用のモードが備わっていますが、そのモードを使わずにマニュアルモードで撮影テストをしてみました。

■総括
無限遠∞でのピント合わせが非常に難しくシャープな星の写真は望めません。その点で言えばリコーのGR/GRD4などの無限遠ピントはあらかじめプリセットしてありメーカ出荷時にある程度の深度範囲調整済みであり、ピントが合わないということにはなりません。ピントが甘い場合にはメーカで調整もしてくれます。
リコーGRの出荷時無限遠ピント不良のピントは甘いといってもG16とは比較になりません。比較するとピント不良のGRでさえ、十分にシャープであることが分かります。

また、マニュアルモードでの長秒露出が現実的には30秒までしか使えず、天体写真向きではありません。星空軌跡や星空夜景モードでもプリセットしてある無限遠に調整されますが、ごまかしてあるので星像は「甘い」。

MFの使い勝手がとにかく、非常に悪い。
ピント合わせて撮影してピントを微調整するなどということが現実的には不可能です。撮影して画像再生して再び撮影しようとするとMFでの撮影距離が勝手に5m程度の部分にリセットされます。再生モードにしなければそのようなことにはなりませんが、再生モードでピントの確認しないと調整も出来ないわけで、もう、ほんと、キヤノンのコンデジ開発部隊は馬鹿しかいないのだと思います。プリセット出来るようにしろ、とまでは言いませんが、せめて前回調整部分を覚えておいて戻すくらいはやって欲しいです。
MFピーキング表示も範囲が広いため現実的には使い物になりません。

光学ファインダーが使えることを期待したのですがまるで使い物にならない。代わりに、液晶画面で星が比較的確認できます。MFピーキングも赤い設定にしておくと星が見やすく、構図も決められます。

個人的には星空夜景モードは使い物にならないし、星空軌跡モードもリコーGR/GRD4のインターバル合成の方が圧勝です。使い勝手がまるで違う。GR/GRD4の方はインターバル合成の途中経過画像を全て保存しておくことも出来ますがG16は出来ません。

なお、現実的に30秒までしか使えない、とは、マニュアルモードであるにもかかわらず、40秒以上のシャッター速度を設定すると勝手にISO感度が80に固定されるからです。これもリコーと比べるとお話になりません。リコーはマニュアルモードはどんな設定も可能です。そもそもマニュアルモードとはそういうモードです。キヤノンコンデジ部隊がEOS部隊とは全く異なる部隊であることはわかりますが、写真用語から勉強して欲しいです。

とは言え、マニュアルモードでは望遠側での撮影も可能であり、これはGR/GRD4では真似ができません。
赤い散光星雲にも少しは対応できます。

■撮影機材と共通項目

特に断りのない限り共通項目は以下です。
・アイベルCD-1と自作コントローラで恒星時追尾
・マニュアルモードで撮影
・JPEG撮って出し
・サイトの制限で2MB以下のサイズになるようにリサイズ
・ホワイトバランス太陽光
・当日は月明かりがあり、微光星までは写りにくい状況

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